a Blue flag
本文冒頭
【一】
旗がはためいていた。夕風吹き荒ぶ丘の上、何もない荒地の中心に、只一つ。
暮れゆく西日は彼方の稜線を越えようとしている。ぼちぼち町へと着き宿を取り、何日も歩き通した疲れを癒したい頃合いだった。もう野宿は沢山だ、そう私は考えた。
ゆえに、
「もし」
私は問うた。
他でもない、目の前で風にはためく旗に。
「旅の者だが、町まではあとどのくらいある。地図ではもう近い筈なんだが」
旗は返した。
「下ってすぐだ。もっとも貴様の身体でどれほど掛かるかは、おれには知れない」
抑揚に乏しい、存外高い声だった。
「どうも。お前さんも町
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