a Blue flag

作者:夏十字

あらすじ

「おれはずっとここに居る。ずっとずっと昔から、ここでこうして居るのだ」

なんにでもなれるから、何者にもなれない。
そんな「私」が旅の途中で出会ったのは一匹の、ぼろぼろのヒトツキだった。

荒野に突き立つ青い「旗」のおはなし。

(覆面作家企画12 テーマ「旗」参加作品)

本文冒頭

   【一】

 旗がはためいていた。夕風吹き荒ぶ丘の上、何もない荒地の中心に、只一つ。
 暮れゆく西日は彼方の稜線を越えようとしている。ぼちぼち町へと着き宿を取り、何日も歩き通した疲れを癒したい頃合いだった。もう野宿は沢山だ、そう私は考えた。
 ゆえに、

「もし」

 私は問うた。
 他でもない、目の前で風にはためく旗に。

「旅の者だが、町まではあとどのくらいある。地図ではもう近い筈なんだが」

 旗は返した。

「下ってすぐだ。もっとも貴様の身体でどれほど掛かるかは、おれには知れない」

 抑揚に乏しい、存外高い声だった。

「どうも。お前さんも町

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